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◆高血圧とは?
生活習慣の欧米化に伴い、国民の4人に1人、3500万人が高血圧に罹患していると言われています。更に成人においては、その半数近くが高血圧とされ、まさに国民病とも言えます。高血圧は自覚症状がなく、長期間高血圧を放置すると臓器や心血管系に負担がかかり、動脈硬化が進行して、高血圧性心不全、狭心症、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞、慢性腎不全などの重要臓器障害の症状を引き起こします。場合によってはそれらによって重い後遺症を残してQOLの低下・しばしば生死に関わるような事態を招きます。高血圧はHealthy Better Long Lifeの敵です。高血圧といわれたら、生活習慣の是正や降圧薬治療による血圧コントロールが重要です。

【血圧とは?】
心臓が血液を送りだすときの血管内の圧力が、「血圧」です。血圧には、心臓が収縮して動脈に血液を送りだすときの「最大血圧」(上の血圧)と、心臓が拡張するときの「最小血圧」(下の血圧)があります。最大血圧を収縮期血圧、最小血圧を拡張期血圧とも言います。血管内の圧力は絶えず最大血圧と最小血圧の間を連続的に変化しているのです。

【高血圧といえる血圧の高さ(数値)は?】
簡単には140/90mmHg以上が高血圧になります。しかし、家庭血圧ではその基準がより厳しく、135/85mmHg以上は高血圧と考えてよいでしょう。家庭血圧計で135/85mmHg以上のことが多ければ高血圧の疑いがあり受診をおすすめします。

【高血圧の原因は?】
高血圧の80%は加齢に伴う動脈硬化からくる本態性高血圧とされ、遺伝(体質)や生活習慣などが関係しているとされています(これを本態性高血圧といいます)。残りの20%は何らかの原因があり高血圧となっているものであり、その大部分は腎性高血圧といって腎炎や腎血管硬化症など腎臓の病気が原因のものから起きています。数的には少ないのですが、副腎などからでるホルモン異常(腫瘍)によるものが少数あります。本態性高血圧以外を2次性高血圧ともいい、その原因を取り除けばなおることもあります。高血圧症になる体質は、遺伝すると考えられています。両親が高血圧の場合はとくに注意が必要でしょう(早期発見・早期予防・早期治療)

【高血圧を放置すると?】
血圧が高い状態が続くと血管や各臓器に機能異常が起きてきます。簡単に言うと臓器や血管が硬くなってもろくなるわけです。高血圧の治療は数値を下げるばかりではなく、その先に「臓器保護」の目的があることを念頭においてください。高血圧は自覚症状がないのが普通で、それで安心をせず、お互いに究極の目的(Healthy Better Long Life)に向けて努力しましょう。

【高血圧を放置しておくとどのような合併症がおこりますか?】
@心臓病(高血圧性心肥大、高血圧性心不全)
若く柔らかな血管に心臓が血液を送り出した場合は血管(動脈)が拡張して圧を吸収しますが、硬い血管(動脈)になると心臓はそこにぐいぐい血液を送り出さなければなりません。そのため心臓は筋肉質となり、心臓肥大(高血圧性心肥大)となるわけです。筋肉質の心臓は強そうなイメージを持たれるかもしれませんが、心臓は「広がって」、縮むことで血液を送り出すもので、筋肉質の心臓は「広がれない」、縮むという収縮となり、心臓からでる血液は激減し心不全(心臓の血液ポンプとしての役割がなくなる、高血圧性心不全)となります。
A脳卒中(脳出血,脳梗塞)
脳血管が破れて脳内に出血する脳出血(高血圧性脳出血)、脳血管に血栓が詰まったり、狭くなった脳血管が閉塞したりする脳梗塞などがあります。いずれも命にかかわる病気で,高血圧のコントロールがそれらの病気の予防効果が証明されています。
B腎臓病(腎硬化症)
高血圧は全身の臓器に動脈硬化を起こします。高血圧により腎臓の硬化(腎硬化症)が進むと腎臓の機能が低下します。最終像としては慢性腎不全となり、透析が必要です。

【血圧は一日中同じ?】
心臓は一日に約10万回も拍動しているといわれます。そして一拍一拍ごとに血圧は厳密には異なります。つまり,血圧は1日中同じことなく絶えず変動しております。高い低いに一喜一憂することなく、平均的に見ることが重要です。高血圧の方の約半数は明け方から、起床時にかけて睡眠時に比較して極端に血圧が上昇する早朝高血圧があるといわれています。そして、その時間帯に心筋梗塞(心臓の動脈に血栓が形成され閉塞する)や脳卒中の発生率も高く、早朝高血圧はより注意が必要です。起床後、洗面・トイレをすませ、暖かい部屋でいすに座って血圧を測りましょう。早朝高血圧は早めの対処が必要です。

【白衣高血圧と逆白衣高血圧とは?】
外来血圧のみが高く、家庭血圧が正常な場合は「白衣高血圧」とよばれますが白衣高血圧自体は心血管系の大きなリスクではないことが分かっていますので降圧治療は不要です。最近では逆に外来血圧は正常ですが24時間血圧で高血圧(135/85以上)を呈している場合は「逆白衣高血圧」や「仮面高血圧」と呼ばれ、心血管系の危険が高いことが分かってきました。

【高血圧の治療の要点は?】
直せるところがあれば、生活習慣の修正や是正が必要です。食事療法 塩分制限(6g以下)とナトリウムを排泄してくれるカリウムに富む食物(果物,野菜)をとりましょう.肥満があればカロリー制限が必要です。運動は持久性有酸素運動がよいとされ、一般に「軽めで長時間」が推奨されます.運動の結果、@迷走神経(休もうとする神経)刺激による心拍数減少、A・血管拡張および末梢血管抵抗の低下、B血液凝固能の改善、C体重減少、そしてD内分泌学的因子の改善などにより慢性効果として血圧が下がります。嗜好品 過度のアルコール(日本酒換算で2合以上)は長期的には血圧を上昇させます。また喫煙は動脈硬化の危険因子の一つであり、血圧も上昇させます。過度の精神的ストレスも血圧を上昇させますので、ストレスを貯めないようにしましょう。
生活習慣の修正を行っても血圧が下がらない場合や、放置できないレベルの高血圧では降圧薬を用います。降圧薬は,高血圧そのものを治す薬ではないので、服用をやめれば、血圧は上昇し、ときには以前より高い血圧になるとも言われています。

【高血圧の薬は一生のむの?】
「高血圧の薬を飲むと一生飲まなくてはならない」などと堅苦しく思うことはありません。血圧が十分コントロールされたら薬を減らしたり、中止したりすることは可能です。特に軽症の高血圧で肥満を伴う人が減量により休薬できたという症例は枚挙に暇がありません。しかし、休薬後も外来での経過観察は必要で、今まで以上に生活習慣のコントロールが必要です。自己判断で勝手に薬の減量や中止したりすると危険です。
しかしながら大部分の方は生活習慣の修正のみでは目標血圧にはなれず、その高めの血圧で十数年過ごせば高血圧の合併症が出てきてしまうことになってしまいます。それならば毎日お薬を飲んでその合併症の予防に努めたほうが良いということになります。一生薬を飲むなんて!などと窮屈に思わず、高血圧と付き合うすべを考えていきましょう。

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