◆狭心症・心筋梗塞とは?
心臓の筋肉が血液不足状態であることを「血がむなしい(虚しい)」と書いて「虚血」といいます。狭心症と心筋梗塞はともに虚血から来る心臓病で虚血性心疾患といわれます.狭心症と心筋梗塞の違いは、簡単に考えると、心筋が回復するか否かで、「狭心症」は心筋が生きており回復するのに対して、「心筋梗塞」は心筋がやられてしまい基本的に回復しません。もっと簡単に換言すると、心筋を栄養する動脈を冠動脈といいますが、その冠動脈が狭ければ「狭心症」、つまっていれば「心筋梗塞」とお考えください。どちらの病気もその終末像は、心臓のポンプ機能が低下する「心不全」状態となります。狭心症・心筋梗塞の究極の治療目標は心臓の機能をいかに保たせ、その予後(これから先何年生きられるということ)と症状(息切れなど)を改善・悪化の防止をしていくかということになります。
【狭心症と心筋梗塞の起こる原因は?】
狭心症は心臓を栄養する動脈の狭窄により心筋が血液不足になることにより起こります。
心臓を栄養する血管は冠に似ているところから冠(状)動脈とよばれ心臓に酸素と栄養を供給しています。心臓の左側に2本(左前下行枝と左回旋枝)、右側に1本(右冠動脈)と3本大きなものがあります。
冠動脈の動脈硬化が進み、血管が次第に狭くなる(狭窄)と血液が十分いきわたらず心臓が酸素不足の状態に陥ります。また、場合によっては冠動脈が閉塞し心筋がやられてしまいます。それらの原因はやはり「動脈硬化」です。
【虚血性心疾患の症状は?】
「胸が苦しい!」といって、人が倒れるのをよくテレビドラマで見かけます。ほぼそのような感じと思ってください。痛いというよりは重く絞られる痛みのようです。それを感じる場所は胸の中央、左胸部、左肩、首、下あご、みぞおちなどで左胸に限ったわけではありません。逆にここが痛いと指差せるような場合は心臓の痛みである可能性は低くなります。胸痛持続時間は狭心症では2−3分から10分くらい、心筋梗塞は2−3時間です。
【虚血性心疾患の検査にはなにがあるのですか?】
@心電図検査
強い虚血の存在や心筋梗塞の有無などを確かめます。簡単に行えて有用です。変化があれば、ほぼ虚血性心疾患の存在が考えられます。
Aホルター心電図(24時間心電図)
携帯用の心電計で24時間の心電図を記録し、発作があったときの心電図をみることで虚血性心疾患の存在を評価します。同時に不整脈も診断できます。
B血液検査
心筋梗塞が生じているかどうかは心臓由来脂肪酸結合蛋白(H-FABP)、トロポニン,クレアチンキナーゼ等の血液生化学マーカーを調べます。ただし、狭心症では異常がないことが多く血液検査で虚血性心疾患がないことを言うことはできません。
C心臓超音波検査
虚血による心筋運動の低下の有無などを調べます。心筋梗塞で障害を受けている筋肉は動きが落ち、周りの正常心筋と区別ができます。心筋の動きの低下している部分があれば心筋梗塞を強く疑います.ただし,昔心筋梗塞を起こしたところか,いま心筋梗塞になりかかっているところかをかを区別することに難しい場合があります.
D心筋シンチグラフィー
安静時や運動負荷時の心筋の血流分布や代謝の変化を調べ、狭心症や心筋梗塞による心筋虚血部位、壊死の範囲を調べます。
E冠動脈造影
冠動脈のどこが、どのくらい狭くなっているかを調べます。今までは心臓カテーテル検査を行っていましたが、CTの性能が良くなり、冠動脈が評価できるようになりました。当院でもMDCTがあり、冠動脈の評価が非侵襲的に行う事が可能です。
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