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◆心電図異常とは?
健康診断で心電図の異常を指摘されることは少なくありません。「心電図異常」といわれると心臓に異常があると早合点されることが多いのですが、心電図異常と心臓病とはイコールでは無いのです。つまり、心電図異常があっても心臓病は無いということがほとんどですので、安心してください。だだ、心電図異常をいわれたら、一度、循環器専門医を受診し「心エコー検査」をおすすめいたします。

【よく言われる心電図異常にはなにがあるのですか?】
@洞性頻脈
心臓の正常な脈は「洞結節」というところにあるペースメーカー細胞から電気が出現し、心臓の下の方に電気的興奮が伝達します。そのように正しいところからの電気的興奮が始まり伝わっていく正常なリズムを「洞調律」といいます。その早さには範囲があって1分間に打つ脈拍数(心拍数)は60-100回/分と決まっています。100/分以上の洞調律の状態を洞性頻脈といいます。精神的緊張の状態(不安、興奮等)時に認められる事が多いのですが、貧血、甲状腺機能亢進症等の他の全身病に付随してに認められる事もあり、これら疾患のチェックが必要になります。
A洞性徐脈
洞調律で心拍数が60/分以下の状態をいいます。運動選手などでは頻繁に認められます。健康診断では心拍数45/分以下ですと念のため再チェックの要ありと指摘されます。一般には心臓病を伴いません。念のため循環器専門医を受診し「24時間心電図(Holter心電図)」と「心エコー検査」をおすすめいたします。
B軸偏位
電気の興奮から見た概念上の心臓の向きを「軸」といい、それが正常より左に向いていれば「左軸偏位」、右に向いていれば「右軸偏位」となります。概念上のものであり、心臓病がなければ放置で構いませんし、毎年指摘されても気にすることはありません。右脚ブロックと左軸偏位があれば、右脚以外にもう一本の電線の流れも悪いことが考えられ、心臓の精密検査をおすすめします。
C右脚ブロック
心臓の電気的興奮は心房から心室へ伝わりますが、心室内は左脚と右脚を通って電気的興奮が伝導します。そして右脚の伝導障害(遅延)があれば「右脚ブロック」となるわけです。右脚のみの伝導障害は高頻度に見られるもので、病的意義は少ないと考えられます。しかし、去年が正常で今年が「右脚ブロック」であった場合は進行性のものの可能性があり、翌年の健康診断は必ず受ける必要があります。また同時に念のため循環器専門医を受診することをおすすめします。昨年が右脚ブロックで今年も右脚ブロックと変化が無ければほとんど心臓病は考えられません。
D左脚ブロック
右脚ブロックより頻度は少ないですが、これが有れば何らかの心臓病の可能性を示唆します。
ですから、右脚ブロックよりは二次精査が必要です。
狭心症、心筋症などの心臓病が隠れている可能性があります。
E房室ブロック
房室ブロックとは房(心房)と室(心室)の電気伝導が滞っている病態を意味します。つまり心臓の上から下に電気が流れにくい病態が存在することを意味します。房室ブロックにはT°からV°まであり、V°が一番程度が強く、ほぼペースメーカーの適応となります。一番状態が軽いT°房室ブロックは一般的に迷走神経緊張状態では、治療対象とはなりません。
F期外収縮
期外収縮はもっとも健康診断にて指摘されるもののうちの1つです。上室性期外収縮と心室性期外収縮があります。期外収縮とは規則正しいリズムで心臓が打っていたときに、「本来打つべきポイントより前に心臓が打つこと」をいいます。上室(心臓の上側)から出ていれば上室性期外収縮、心室より出ていれば心室性期外収縮です。これらの期外収縮が最初に見つかったときには、そのときは心臓の精密検査が必要となります。期外収縮があれば→心臓病とはなりませんが、心臓病があれば→期外収縮という構図はなりたち、期外収縮があればそのベースに心臓病が隠れている可能性があり、念のため心臓精査が必要です。
G心房細動
心房が無秩序に興奮している状態であり、心拍も無秩序になります。心拍数は30/分から200/分となり,遅いところはより遅く、速いところはより速くなります。一時的に心房細動になる「発作性心房細動」と慢性的な「慢性心房細動」とあります。やはり心臓病が隠れている可能性があり、発見された際には心臓精査が必要です。また、脳梗塞を起こしやすいという性質があり、巨人軍長島監督がこの不整脈を持っていて脳梗塞を起こしたことで有名になりました。治療ガイドラインでは何らかの心臓病があり(高血圧もふくむ)、この不整脈が有れば、抗凝血療法が適応となります。
Hブルガダ様心電図
右側胸部誘導で特徴的なST上昇があり、突然死を起こす1群をブルガダ症候群といいます。ブルガダ様心電図とは心電図のみが右側胸部誘導で特徴的なST上昇がある場合を言います。無症状では一般的には危険性は少ないと考えられますが、めまいや失神の既往のある方や、家族で突然死した方がいる場合は必ず精密検査を受けましょう。
IWPW症候群
正常の刺激伝導路のほかに、生まれながらに心房と心室の間にケント束といわれるもう一つの伝導路(副伝導路)があり、一方を往路、他方を復路とする旋回経路を生じるため、突然速い頻脈発作(発作性上室性頻拍)をきたす症候群です。最初は循環器科専門医への受診を御勧めします。発作(上室性頻拍)があるなしで、治療がことなりますが、最近は内服治療のみならず、カテーテルアブレーション(電気的にいらない方の伝導路をジュッと切る)という治療が適応となります。



◆不整脈とは?
心臓はふつう1日に約10万回拍動しています。このリズムは、心臓の右横にある洞結節(どうけっせつ)から電気が起きることで始まります、洞結節が心臓の歩調とり(ペースメーカー)となり、電線に相当する伝導路を通り心房(心臓の上の部分)を収縮させます。つぎに電気は心臓の真ん中を通り心房から心室(心臓の下の部分)に流れます。ビリッと電気が伝わればピクッと筋肉が動くとおり、心臓に電気が伝わると心臓の筋肉は収縮します。心室が収縮すると心室内の血液が全身に送血されます。
不整脈とは,遅くなる不整脈と速くなる不整脈があります。
前者は上記ペースメーカー細胞や伝導路に何らかの障害があり脈が遅くなります。また後者は別の場所から電気が出て速くなるか。自分の電気が何らかの原因で周回し脈が速くなります。

【不整脈のための検査にはなにがあるのですか?】
頻用する検査は以下のものがあります。
@心電図
当然の事ですが、心電図がその評価には必要です。心臓の基礎疾患(心臓にある病気)、を判断するにも有用です。
しかし、記録できる時間が限られているので(5秒程度)、たまたまその5秒間に不整脈が見つからないと
正常ということになってしまいます。
A血液検査
電気はイオンの流れが電流となってその電気を伝えます。
ですから、イオンのバランスが悪いと不整脈が起きてくることはあります。イオンのバランスを見るために採血は必須です。
B胸部レントゲン写真
心臓の基礎疾患(心臓にある病気)、を判断するにも有用です。また心不全(心臓のポンプ機能の低下)があれば悪い不整脈が起きやすくなり(心不全と不整脈は平行して動く)、不整脈のベースに心不全があるかどうかは重要です。
Cホルター心電図(24時間心電図)
心電図検査の記録時間は短く、普通の心電図で不整脈が出ていなくても安心の材料とはなりません。
よって24時間測定をして不整脈の危険性や頻度を評価します。
また不整脈治療をしたさいの評価目的にも使えます。
D心エコー検査(心臓超音波検査)
心臓の基礎疾患(心臓にある病気)、を判断するのに極めて有用です。
心臓に病気があり不整脈が出ている場合と心臓に病気がなくて出ている場合とでは全く不整脈の治療方針が異なります。当院には最新の心エコー検査機器があり詳細に心臓を調べることができます。
E電気生理検査
心臓の中に電線をいれ不整脈が出ているメカニズムを詳細に調べます。
ただし入院が必要で、当院では行っておりません。

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